🦷 CAD/CAM冠が外れやすい原因とは? 取れた=失敗ではなく、構造的な理由があります (堺市北区・MYデンタルクリニック)

💡 「CAD/CAM冠が外れた」「何度も取れる」
最近増えているご相談のひとつが、
「保険の白い歯(CAD/CAM冠)がすぐ外れてしまう」というものです。
実はこれ、珍しいことではありません。
材料と構造の特徴によって、外れやすくなる“理屈”があるのです。
🔍 外れやすくなる主な原因
① 材料の特性(ハイブリッドレジンは接着が弱い)
CAD/CAM冠はプラスチック+少量のセラミック粒子からなるハイブリッドレジン。
金属やジルコニアに比べて、表面のエネルギーが低く、接着力が長期的に低下しやすい素材です。
特に、
長期間の水分吸収
口腔内の温度変化
咬合力による微小な動き
によって、セメントとの界面が劣化し、外れやすくなります。
② 形成量(削る量)が限られている
CAD/CAM冠は保険適用のため、歯の削る形(形成形態)にも制限があります。
特に小臼歯・前歯などでは、残っている歯質が薄く、
「保持力(ひっかかり)」が得にくいケースが多いです。
冠の厚みを十分に確保できないと、
“のっかっているだけ”の状態になり、強い力で外れるリスクが上がります。
③ セメントの選択と操作条件
保険のCAD/CAM冠では、使用できる接着材(レジンセメント)にも制限があります。
歯面処理(サンドブラストやシラン処理)が不十分だと、
初期接着力はあっても長期安定性が低下します。
さらに、装着時の唾液汚染・乾燥不良・光照射不足も、
接着界面を弱くする原因になります。
④ 咬合(噛み合わせ)の負担
CAD/CAM冠は、金属冠やセラミック冠に比べて割れやすく・たわみやすい素材です。
噛み合わせの力が集中する部位(特に下顎第二小臼歯など)では、
接着剤が徐々に剥がされるように働き、結果的に外れてしまいます。
💎 再装着しても外れる場合は
同じ歯で繰り返し外れる場合、
冠の問題ではなく歯の形・歯質の残存量・咬合関係など構造的要因がほとんどです。
その場合は:
支台の形を再形成する(保持形態の改善)
ジルコニアやe.maxなど、接着強度の高い素材に変更
クラウン長延長やファイバーコアで支台を補強
といったアプローチが再脱離防止に有効です。
👩⚕️ MYデンタルクリニックの対応
当院では、CAD/CAM冠を使用する場合でも、
拡大鏡での形成・マージン確認
接着面の乾燥・処理管理
噛み合わせの微調整
を徹底し、外れにくい装着を目指しています。
また、外れを繰り返す場合には、
ジルコニア・e.maxへの素材変更を提案し、長期安定を重視した再修復を行っています。
🏥 まとめ
CAD/CAM冠が外れやすいのは、素材と構造上の理由があるためです。
“外れた=失敗”ではなく、その歯に最適な素材と形態を選ぶことが大切。
堺市北区のMYデンタルクリニックでは、
拡大鏡による精密形成と高接着処理で、
長持ちするCAD/CAM・セラミック修復を提供しています。



















