🦷 CAD/CAM冠とセラミック冠の違い 海外ではCAD/CAM冠は“仮歯”扱いって本当? (堺市北区・MYデンタルクリニック)

💡 日本では保険の「白い歯」、でも海外では?
日本では、保険でできる白い被せ物=CAD/CAM冠(キャドカム冠)。
2020年代に入り、前歯や小臼歯にも保険適用が拡がったことで広く使われるようになりました。
ところがこのCAD/CAM冠、海外ではまったく違う意味で使われています。
🌍 海外では「CAD/CAM」は“技術名”であり“素材名”ではない
海外の歯科で「CAD/CAM」と言うと、それは被せ物をコンピュータで設計・ミリング(削り出し)する技術そのものを指します。
つまり、
「CAD/CAMで作るセラミック冠」「CAD/CAMで削るジルコニアクラウン」
というように、“素材”ではなく“製作方法”なのです。
したがって、
海外で“CAD/CAM冠”という材料は存在しません。
🇯🇵 日本のCAD/CAM冠は“保険用のハイブリッドレジン”
日本での「CAD/CAM冠」は、
セラミックの粉末を混ぜたプラスチック(ハイブリッドレジン)を機械で削り出した冠です。
材料:プラスチック+少量のセラミック粒子
特徴:軽くて加工しやすいが、吸水性があり経年劣化する
長所:保険が使える・金属アレルギーの心配が少ない
短所:すり減る、変色する、割れやすい
日本独自の保険制度のために開発された素材で、コストを抑えつつ「白い歯」を提供するための妥協点ともいえます。
🇺🇸🇪🇺 海外ではCAD/CAM素材=セラミック・ジルコニア
アメリカやヨーロッパでは、
**「CAD/CAM」=“セラミックやジルコニアを削り出す技術”**として活用されています。
そして驚くことに、
ハイブリッドレジン製の冠(日本のCAD/CAM冠)は、仮歯や短期修復にしか使われません。
なぜなら、
変色・摩耗・破折が起こりやすく、長期使用に不向き
永久補綴には、耐久性と審美性のあるセラミック・ジルコニアが主流
だからです。
つまり、**日本では保険の「最終補綴」**として使われているものが、
**海外では“テンポラリー(仮歯)用途”**にすぎないのです。
⚖️ 比較表:日本のCAD/CAM冠 vs 海外のCAD/CAMセラミック
| 項目 | 日本のCAD/CAM冠(保険) | 海外のCAD/CAM補綴(主流) |
|---|---|---|
| 材質 | ハイブリッドレジン | セラミック・ジルコニア |
| 位置づけ | 最終補綴(保険対応) | 永久補綴(自費) |
| 耐久性 | 約3〜5年で摩耗・変色 | 10年以上の長期安定 |
| 使用目的 | 保険内で白い歯を提供 | 長期審美修復が目的 |
| 技術呼称 | 素材名扱い | 製作方法(技術)扱い |
| 海外での用途 | 仮歯・短期補綴 | 永久冠・審美修復 |
👩⚕️ MYデンタルクリニックの考え方
当院では、患者さまの希望・歯の状態・噛み合わせを考慮し、
保険のCAD/CAM冠・e.max・ジルコニアなどを使い分けています。
特に前歯など審美領域では、
経年劣化の少ないセラミック系素材(e.max・ジルコニア)を推奨しています。
拡大鏡を使った精密形成
歯ぐきとの境目のライン調整
光透過性と色の再現性にこだわったシェード選択
見た目だけでなく、歯ぐきとの調和・長期安定性まで考えた審美修復を行っています。
🏥 まとめ
CAD/CAM冠は日本では保険の「白い歯」として普及していますが、
海外では“仮歯としての一時的使用”がほとんど。
長期的な美しさ・耐久性を考えると、セラミックやジルコニアが世界標準です。
堺市北区のMYデンタルクリニックでは、
CAD/CAM冠からセラミック・ジルコニアまで、
患者さまの目的に合わせた“本当に適した素材選び”を行っています。



















